久々に山本文緒。
読みやすくて、気持ちもリラックス。
テーマは「喪失」。

みんないってしまう
「ひとつ失くすとひとつ貰える。
そうやってまた毎日は回っていく。」

シンプルだけど、印象に残った言葉。
表題作にふさわしい作品だと思った☆
主人公は幼馴染と再会し、ある思い出を失くすのですが、
彼女はまた、別の出会いを手にする。
その積み重ねが人生なんだよね。

愛はお財布の中
「お前って見栄っ張りだから、ちょっと心配だったんだ」
こんなセリフ、言われたらうれしい。
自分のこと、きちんとわかってくれてるって証拠だし、
心配してくれる。
しかもあんなときに。
きゅんってなるよ〜

片恋症候群
「好きって気持ちはエゴでしかない。
でも欲しいものは欲しい。
どうしても欲しい。
気持ちが悪いと思われても。
一生口をきいてもらえなくても。」

恋をするとプライドが、いってしまう。
このお話は共感できる人と、わからない人がいるかもしれない。
私は主人公たちの気持ちがわかっちゃう方。
ここまでではないけれど、好きな人を手にしたくて、
私のほうを見て欲しくて、
これ以上やったら嫌われる、って境界線ギリギリのことをやった。
その人の人柄のおかげで、今でも友達でいられてるけど、
そのときは、もう会えなくても、今、そばにいたいって思ったんだ。
・・・ごめんね、センパイ。

この本もとってもよかった!
やっぱり上手だね、文緒さんは。
今回の短編集はみんな結末がきちんと書かれていない。
自分で主人公たちのこれからを想像する。
それがまた、楽しい。

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